エッセイその3:描き続けてきた効果。

80店舗を絵で紹介する。取材先にも「それは大変だねぇ」と同情されました。

イラスト制作の依頼はいろいろなタイプがあります。

イラストを10カット描いてください、挿絵を40点、表紙イメージ、などなど。

今回は1冊まるごとイラストになります。いわゆる、編集者は要望を言い放題。


「ここは手描きにこだわりたいですね。まずは手描きでラフをよろしく」

「ここの箇所、デジタルで直しませんでした?アナログで修正願います」

「文字が読めませんので、書き直しを。つぶれてますし」


自分が好きな分野、まさに自分が作らないで誰がつくるのか。

そんなテーマの本なので、修行のように、じっと耐えて文章を書き、絵を書きました。

編集、デザイン、校閲など、いろいろなプロフェッショナルが指導してくれます。

本当に勉強になりました。感謝しかありません。


文具店の紹介は、見開き2ページと半分の1ページ、2パターンがあります。

店名バナーなどはデジタルでデザインするので、

それを想定しながらイラストを手描きする。これは想像力と根気と創意工夫が必要な作業でした。


辛い時は本棚に飾ってある、自分のスケッチジャーナル作品を見返しました。

本当にたくさんの絵を描いてきたのだ。

自分はなんとかやり遂げることができるだろう。

ストックされた絵たち、そのスケッチの思い出。

ありがたいことに記憶が蘇りますので、過去の自分に助けられました。

なんといっても、ハヤテノ画法のテンプレートができあがっているので、

これを応用しながらたくさんのページを埋めていきました。


活動を続けてきたこが、この本の制作に役立ちました。

2009年:イラストレーターとしてブログやSNSを本格スタート、絵を販売

2010年:文房具ムックでモレスキンアートの実践者として登場

2011年:モレスキン紹介本に登場、本の販促やメディア露出(テレビや雑誌等)にも協力

2012年:個展を2回開催、多くの来場者と交流、日本各地でイベント展開

2013年:自分のスケッチジャーナル作品をまとめたZINE(自作の小冊子)が反響

2014年:イラスト専門雑誌で、旅のイラストレーターとして大きく登場

2015年:イラスト本に文具・画材を駆使するイラストレーターとして登場

2016年:イラスト本の続編にノウハウをまとめて執筆、ワークショップ開始

2017年:さまざまな大型文具イベントでのワークショップが盛況

2018年:大人向け趣味講座でスケッチジャーナル学を講義

2019年:文具店を紹介する本を出版、メーカーや店舗でワークショップ


繰り返しますと、継続は本当に力です。

これからも作品を作っていきたいと思います。(つづく)




ハヤテノコウジの「東京わざわざ行きたい街の文具屋さん」ウェブサイト

「東京 わざわざ行きたい街の文具屋さん(ジービー)」の著者による参考ウェブサイトです。