エッセイその1:出版企画がやってきた話。

文具好きなイラストレーターであるハヤテノコウジに、文具屋さんの本をつくるという話が舞い込んだのは2018年4月のことでした。

「本を出したいな」と思ったのが2017年。いくつかの出版社に企画書を出したり、出版セミナーに通ったり、知人のフリー編集者に版元を回ってもらったり、出版コンサルタントの個人レッスンを受けたりと、いろいろやりましたが、なかなか決まりませんでした。今おもえば、自分を押し出しすぎていました。

そのあとは、スケッチジャーナル講座を始めたり、他の仕事も新たに始まったりと、忙しくなってしまいました。外ではいろいろがんばる、家では休む。これを繰り返す毎日を送ります。本のことは忘れていました。

するとどうでしょう。文具好きの編集者から、「あなた向けの出版企画が通っています。あとはあなたが受けるだけです。いかがでしょうか」といった連絡が入りました。ほぼ毎日のように、どこかの文具売り場に行くハヤテノにぴったりの企画です。やったー!!

「見つめる鍋は煮えない」ということわざ、結構好きな言葉です。

「押してダメなら引いてみな」という表現もありますね。

要するに、気持ちを楽に持っていった方が先に展開するということがわかります。

気合いを入れて体に力を入れるより、チルアウト。のんびりと「手に入れたときの自分を思ってニヤニヤする」。そんなことを大切にしています。

担当編集者さんに初対面すると、やさしそうな雰囲気だったので安心しました(仕事にはとてもとても厳しいことが、後にわかります・・・)。

このときは、まだワクワクしかありませんでした。楽しくもあり苦しくもあり、修行とも言えるような1年間が始まりました。(つづく)



ハヤテノコウジの「東京わざわざ行きたい街の文具屋さん」ウェブサイト

「東京 わざわざ行きたい街の文具屋さん(ジービー)」の著者による参考ウェブサイトです。